美味しく噛むために必要な歯の本数について
『8020運動』という言葉を聞いたり、目にしたことはありますか?
これは、平成元年から厚生労働省と日本歯科医師会が提唱した【80歳になっても自分の歯を20本以上保とう】という運動です。
なぜ、この「8020」という数字を掲げたのか。その理由は、28本ある歯(親知らずを除く。)のうち、少なくとも20本以上自分の歯があれば、食べるもののかたさ、大きさを制限することなく、ほとんどのものを噛みくだくことができ、おいしく食べられるからです。
フランスパン、堅焼きせんべい、繊維質の多い野菜等、噛めば噛むほど味わい深くなる食品は18~28本の歯がないと美味しく噛むことが難しいと言われており、概ね20本以上の歯があれば、さほど支障なく、これらの食品を食べることができます。
平成16年度県民健康・栄養実態調査では、40歳から70歳以上の方で「何でも噛んで食べることができる」と答えた人で、歯の本数が20本以上の人が約80%以上、19本以下の人で、約45~60%と大きな差が出ていました。
この調査結果から、栄養摂取の面や、食べる楽しみという面からみても、20本以上の歯を残すことが大事であることがわかります。
8020運動が始まった約30年前は、10%のも満たなかった達成者が、2016年の調査で50%(2人に1人)になりました。
これも、みなさんの歯の健康に対する意識が向上したことが要因と考えられます。
これからも、楽しく健康で生き生きとした生活をするためにも、虫歯がなくても定期的に歯医者へ通い、検診を受け、少しでも多くの歯を残せるように心がけましょう。